看護学生に限らず、医療系の仕事に就くために国家試験合格を目指す人は、学校に入学後いきなり戸惑うことがあります。
それは、毎日医療用語漬けになることです。
学生時代ならまだ解剖学や生理学などの学科も高等学校の理科で習う程度の用語ですが、上級生になって臨床科目が加わると具体的な疾患名が登場し、しかも特異的な症状や看護処置なども頭に浮かばなければならなくなります。
学校の看護実習では学生同士で看護の模擬体験をしますが、まだ余裕はあります。
国家試験に合格すると実際の病院での看護研修も始まり、その後新人ナースとしてデビューして本当の苦労が始まります。
学生時代もただでさえ山のような医療用語を扱いますが、新人ナースになると今度は医師や先輩ナースから、容赦のない医療用語が飛んできます。
業務中、医師や先輩ナースは新人ナースに気を使っている暇はありません。
しかも毎日の業務の中で必ず使うものなので、分からない用語や忘れてしまった用語は、常に覚え直さなければなりません。
例えば慢性閉塞性肺疾患という呼び方は日本語にすると分かりやすいですが、これを医療現場では英語の略語でCOPDと呼びます。
こういう用語が頻繁に使われるので、覚えておかなければチンプンカンプンになり、次の行動に移れなかったり重要な指示も聞き逃し、ひいては医療事故にもつながりかねません。
医療分野は日進月歩で、新しい用語も生まれています。
どんな仕事でもそうですが、常に勉強して新情報を収集することが欠かせません。
特に患者の命に関わる非常に責任のある仕事に携わるので、努力を怠らないことが大切です。
その先に、必ず患者からの感謝と喜びの声が待っています。